【福井赤十字病院 第1回研修医症例検討会を終えて】
初回は初期研修医1年目橋向輝若先生が『研修医とともに学ぶ非専門医/医療スタッフのための骨折診療』の演題で発表しました。
複数診療科の医師に加えて、看護師、放射線技師、リハビリスタッフ、事務担当者など多職種に渡る計 36名が参加されました。テーマに関する専門医として、整形外科 平山和秀先生に御指導頂きました。
「非専門領域における達成目標は学生、研修医、指導医全て同じ」というコンセプトのもと、参加者全員が今回のテーマの専門医である整形外科医から学びました。
会のはじめにリウマチ・膠原病内科 鈴木康倫よりカンファレンスのコンセプトおよび運営についてお話しし、次いで呼吸器外科 松倉規先生から肋骨骨折、胸骨骨折を疑った場合のX線写真オーダー等につきレクチャーして頂きました。
カンファレンスは3部構成で、1. 症例プレゼン、2. 教科書等のまとめ、3. 専門医への質問を予定しました。
橋向先生からは自身が救急外来で経験した骨盤骨折の症例をもとに、『骨折ハンター』という書籍の内容を中心としてまとめてもらいました。Take Home messageとして、1. 骨折は画像の前に鑑別疾患を挙げる、2. レントゲンをみる際に骨折線の予測ができていなければ画像検査は”読めない”と整理されました。
専門医への質問として、画像検査の前に必要な身体診察や検査は?、固定など手技に関して非整形外科医への希望は?、骨折での入院適応を判断する際に考えていること、骨折がわからないが一旦帰宅する際の患者さんへの説明内容、などが挙げられ、丁寧に答えて頂きました。また、放射線技師も参加されており、オーダーする医師への要望をコメント頂きました。
冒頭で申し上げたことは、経験した症例からの学び方を学ぶことが目標であり、学び方を共有するカンファレンスであるという点です。まさにその通りの会であったと思います。
研修医による研修医のためのカンファレンスですが、参加者全員が研修医と同じ目標を掲げて専門医から学ぶ機会を提供する場になるよう、今後も月1回を目標に継続して参ります。フロアからも自由で活発な発言があり、心理的安全性の保たれた会でもありました。
Common diseaseを中心に続けていきます。”Listen to the patient. Every patient is your good teacher. Every patient is interesting for young doctors, no exceptions.”…司会者が学生時代に教えを受けた大リーガー医の言葉を紹介して結びと致します。

文責:リウマチ・膠原病内科/腎臓内科、研修推進部会 研修医養成プロジェクトメンバー、ワーキンググループ 鈴木 康倫